歴史調査(縄文と日本人とは何か? 網野善彦)

歴史調査(縄文と日本人とは何か? 網野善彦)
日本の歴史シリーズ00 「日本」とは何か ・講談社、網野善彦著2000年 という本を持っており、縄文はどう書いてあるか整理してみる。
なお、先日紹介した本「日本とは何なのか」NHKブックス・複数の著者1990年の中に、伊東俊太郎が担当した章に、縄文時代は孤立していなかったという記事があったので追記する。(こちらの方が発行は10年古い)

「日本」とは何か
第1章「日本論」の現在
 1 人類社会の壮年時代    
   ・ 1945年8月6日  原子爆弾→全人類の死の予感→人類は壮年時代
   ・ 開発による自然破壊と公害
   ・ 進歩史観の根本的動揺
 2 日本人の自己認識  
   ・ 1999年8月9日 国旗・国歌法案成立
     日本は7世紀末でき、それ以前に日本・日本人は存在しない。
     日本人はこのことをはっきり認識していない。     
     (702年則天武后に対し倭国に変えて日本国を使用した。689年飛鳥      浄御原令で日本成立)
   ・ 「日本国」千三百年の総括
     孤立した島国で均質・単一民族で他民族からはたやすく理解し難い独      自な文化を育てる反面、「島国根性」の閉鎖性を身に付けるという常識     は間違いである。
     海による交流を忘れている、また、日本成立当時は日本列島の一部で、      単一民族ではなく、瑞穂の国で稲作(農業)が進歩の原動力であるとい     うのは進歩史観の思い込みである。
   
第2章 アジア大陸東辺の懸橋・・・・日本列島の実像
 1 アジア東辺の内海
   ・南北に連なる五つの内海
    ベーリング海・オホーツク海・日本海・東シナ海・南シナ海
   ・海の世界の特質 他国との障壁、しかし穏やかな海は交通路
    日本列島は南北を結びつける懸橋
   ・「孤立した島国日本」の虚像
    日本列島が海を国境として他の地域から隔てられた「孤立した島国」は
    間違い。日本海は湖だった面影を残し内海で、地中海と同じであり、日本    列島は懸橋である。→孤立していない
 2 列島と西方地域との交流
   ・列島をこえる縄文文化
    縄文文化の範囲を宗谷海峡、朝鮮海峡で区切り縄文文化こそ日本文化    の基底をなす文化という主張は間違い。
    名古屋大学の同僚渡辺誠氏から、黒曜石を用いた銛、曽畑式土器など     共通した文化を持つ海民が、縄文前期から朝鮮半島、対馬、北九州にか    けて広く活動していたと聞いた。縄文は日本列島で完結していない。      ・朝鮮半島と列島西部
    この交流が背景となり、朝鮮半島の移住から、弥生時代が始まった。
 3 列島の北方・南方との交流
   ・内海を横断する人々
    縄文早期以前からアムール川地域と関わりのある文化の流入があると     いわれている。オホーツク文化が道東に流れ込み、続縄文期の流れをく    む擦文文化と併存する。
   ・交易民としてのアイヌ
    中世アイヌはアムール川地域を含め広範囲に交易を展開、(サハリンに     元軍が4回侵入、アイヌから安東氏経由で鎌倉幕府に情報が伝わってい    たかもしれない?) 
   ・南方との交流
    中世の琉球・沖縄の南方との交易について記載

「日本とは何なのか」
日本文明の系譜と文明史的可能性 伊東俊太郎
5つの文明史的転換期について、世界の転換期の説明に加えて、日本の転換期を説明しているが、詳細は省略する。この中で、縄文時代は第1期の人類革命に入り、従来は他の文化圏にあまり関係なく、閉鎖的、孤立的とされ、停滞期で日本文化形成の後進性を示すものとみられてきたが、最近の研究により、、人類史上ユニークな文化形態を示すもので、日本文化の重要な基層をを作っている。また、琵琶湖畔で発見された縄文時代の楽器が、周代の音階を示していることから、周囲の文化との接触は古い時代から盛んに行われていたことを示す。

さらに、下記も参考に記載する。
「古代日本」誕生の謎・PHP文庫・武光誠2006
縄文人の農耕と交易(224ページ)
亀ケ岡遺跡から籾粒1点が発見され、石亀遺跡ではソバの栽培が行われ、臼尻B遺跡からはヒエの種子が発見された。

籾やヒエはどこからきたか?→孤立していない証拠と考え追記した。
三内丸山遺跡の栽培作物は前回既報
   
私の感想、
「孤立した島国」は間違いという意見は、程度の問題かな?と思う。
何しろ歴史、考古学は素人で、誰がいつ何をいったか、系列的網羅的に把握しなおす必要がありそうだ、現状ではその当時の判断ではという評価ができない。
網野氏は国旗・国歌法案の性急な成立に不快感を示しており、皇国史観に反応しすぎる気もするが、日本は特殊な国だという人の言っている理由を聞いてみると、根拠不明で戦前の教育の影響が残る現在では、網野氏の反応の仕方もわからないではない。
美しい日本といっても何が美しいのか聞いてみないとわからない。
今後、研究が進めば、もっと縄文時代の日本列島の外との交流の遺跡・遺物が見つかり、「孤立した島国」という考え方がさらに訂正されるかもしれない。江戸時代は鎖国、は単純なる鎖国ではないのと同じかな?
今回の本は、日本の歴史シリーズ00であるが、日本の歴史シリーズ01は
「縄文の生活誌」岡村道雄著だそうで、読んでみたい。  


   




   
  

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